相続登記の手続きでは、お亡くなりになった方(被相続人)の登記簿上の住所と死亡時の最後の住所が一致していることが重要です。
しかし実務では、住居表示の実施、引越しなどの理由により、登記簿に記載された住所と最後の住所が異なるケースがあります。
特に住居表示の実施による住所変更の場合、通常の書類だけでは住所のつながりが証明できないことがあります。
この記事では、
- 相続登記で住所の証明が必要な理由
- 住居表示実施とは何か
- 必要になる証明書
について解説します。
相続登記で住所の証明が必要な理由
相続登記では、法務局が次の点を確認します。
「登記簿の所有者=被相続人」
つまり、
- 登記簿に記載されている人物
- 実際に亡くなった被相続人
が同一人物であることを証明する必要があります。
もし住所が違っていると、
本当に同じ人物なのか?
という疑問が生じてしまいます。
そのため、住所の変遷を示す公的書類を提出して、住所のつながりを証明する必要があります。
住所のつながりを証明する主な書類
通常は次の書類で証明します。
1 戸籍の附票
戸籍の附票には、その戸籍に入っている人の住所の履歴が記載されています。
これにより、
登記簿住所
↓
転居
↓
最後の住所
という流れを証明することができます。
2 住民票の除票
場合によっては、住民票の除票も住所証明として使用されます。
住居表示実施とは?
住居表示実施とは、住所の表記方法を変更する制度です。
例えば
変更前
〇〇市〇〇町 123番地
変更後
〇〇市〇〇町 1丁目2番3号
このように、
「番地」 → 「丁目・番・号」
の形式に変更されます。
この制度は、住民の引越しとは異なり、行政によって住所表示が変更される制度です。
住居表示実施で必要になる証明書
住居表示が実施された場合は、通常の戸籍の附票だけでは住所のつながりが証明できないことがあります。
その場合に必要になるのが、
住居表示実施証明書(住居表示変更証明書)
これは、
旧住所と新住所が同じ場所であること
を市区町村が公的に証明する書類です。
自治体によって名称は異なります
このように、住所変更が住居表示実施によるものであることが証明されます。
相続登記では、住所の証明が複雑になるケースも少なくありません。
不明点がある場合は、司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

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監修 司法書士 中野大輔 なかの司法書士事務所
免責事項: この記事は、法律の一般的な情報を提供するものであり、個別の事案に対する法的アドバイスではありません。個別のケースについては専門家等にご相談ください。法令の改正により内容が変更される場合があります。


