商業・法人登記における設立登記申請の特例をわかりやすく解説
令和8年2月2日に施行された商業登記規則等の改正により、会社や各種法人の設立登記において、行政機関の休日を「設立日」として指定できる新制度が導入されました。
これは、実務上の強いニーズを背景に創設されたものです(商業登記規則第35条の4)。
1. 制度創設の背景と目的
従来制度の課題
これまで、会社や法人(以下「会社等」)の設立日は、設立登記の申請が登記所に受理された日=開庁日に限定されていました。そのため、4月1日が土日・祝日だった場合,行政機関の休日と重なる場合には、どうしても設立日を変更せざるを得ないという問題がありました。
今回、実務上の強いニーズを受け、一定条件下で、休日を設立日として指定できる制度を新設しました。
2. 設立登記申請の特例とは?(制度の概要)
制度のポイントを一言で
設立登記の申請を直前の開庁日に行うことで、翌日以降の行政機関の休日を会社成立の日として登記できる制度です。
つまり、今まで出来なかった1月1日を設立日とすることができます。
3. 利用要件と具体的な手続
3.1 申請のタイミングと指定登記日
指定登記日とは?
- 登記簿に記録される
- 登記年月日
- 会社成立の年月日
- =申請者が指定した休日
重要ポイント
- 申請書は
指定登記日の直前の登記所開庁日までに到達し、受付されていること - オンライン申請・郵送申請でも同様
3.2 申請書への記載事項
必須記載事項
- 本特例を利用する旨
- 希望する「指定登記日」
記載方法の例
- 書面申請
- 申請書の余白に「登記の年月日は、登記すべき事項の『会社成立の年月日』に記載した日付とすることを求める」
- オンライン申請
- 「その他の申請書記載事項」欄に同旨を記載
チェックポイント
- 指定登記日が行政機関の休日であるか
3.3 添付書面の取扱い
- 原則:申請受付日(直前の開庁日)までに作成された書面
- 例外:受付日から指定登記日までの間に変更が生じた場合、補正可能な内容であれば、登記完了前まで補正可
4. 本特例の対象となる登記・ならない登記
4.1 対象となる登記
- 会社の成立要件となる「新規設立登記」
- 一般社団法人・一般財団法人等、会社以外の法人も含まれる
4.2 対象外となる登記(重要)
以下は設立登記であっても対象外です。
- 組織変更による株式会社・持分会社の設立、持分会社の種類変更など
申請不備があった場合の取扱い
- 原則:本特例の求めがなかったものとして処理
- 例外:補正可能な不備で登記官が定めた期間内に補正した場合
まとめ 改正後は休日設立登記が可能に
今回の商業登記規則改正は、単なる手続き変更ではなく、これから起業を考えている方、設立タイミングを検討中の方にとっては、「会社等の設立日=事業の想いを表す日」という大きな一歩になりそうです。
監修 司法書士 中野大輔 なかの司法書士事務所
免責事項: この記事は、法律の一般的な情報を提供するものであり、個別の事案に対する法的アドバイスではありません。個別のケースについては専門家等にご相談ください。法令の改正により内容が変更される場合があります。


