不動産登記で必要な「国内連絡先事項」とは?制度の概要・申請方法・注意点をQ&Aで解説

不動産登記

Q1. 「国内連絡先事項」とは何ですか?

A. 「国内連絡先事項」とは、不動産の所有権登記名義人(所有者)が日本国内に住所を有していない場合に、その所有者に代わって連絡を取るための国内の人物または法人に関する情報を登記する制度です。

この制度は、令和6年の不動産登記法の改正により導入されました。


Q2. なぜ「国内連絡先事項」の登記が必要なのですか?

A. 国内に連絡可能な人物や法人をあらかじめ登記することで、所有者の所在不明問題への対策などを目的としています。


Q3. どんな場合に「国内連絡先事項」の登記が必要になりますか?

A. 次のような場合に必要です(不動産登記令第3条第11号などに基づく):

1. 所有権を新たに取得する場合(保存・移転など)

  • 所有者が国内に住所を有していないとき

2. 所有者の住所変更や更正をする場合

  • 変更後の住所が国外で、かつ
  • 既に国内連絡先事項が登記されていないとき

Q4. 「国内連絡先」として登記できるのは誰ですか?

A. 日本国内に住所または営業所・事務所等を有する以下のいずれかが対象です:

  • 個人(自然人)
  • 法人(会社法人等番号がある法人も可)
  • 外国法人の日本における代表者も可

※「国内連絡先となる者は一人のみ」登記可能です。


Q5. 「国内連絡先事項」の記載例はありますか?

A. 形式は次のようになります:

区分記載例
自然人(住所)国内連絡先 東京都〇〇区1-2-3 山田太郎
自然人(事務所)国内連絡先 東京都〇〇区1-2-3(山田法律事務所)山田太郎
法人(会社法人等番号あり)国内連絡先 東京都○○区1-2-3(東京支店)株式会社ABC 会社法人等番号 0100-01-〇○○〇〇〇
連絡先がいない場合国内連絡先 なし

Q6. 国内連絡先事項を登記するにはどんな書類が必要ですか?

A. 状況により異なります。代表的な添付書類は以下の通りです:

【国内連絡先がある場合】

ア. 国内連絡先の氏名・住所を証する情報

  • 住民票、印鑑証明書、戸籍附票、法人登記事項証明書など
  • 営業所や事務所を示すウェブページの印刷なども可(署名等が必要)
  • 会社法人等番号の記載があれば省略可能

イ. 国内連絡先の承諾書

  • 記名押印した承諾書(印鑑証明書を添付)
  • 電子申請なら電子署名・電子証明書が必要
  • 一部の場合は省略可能(日本の代表者が連絡先になる場合など)

【国内連絡先がいない場合】

  • 「国内連絡先がいない旨の上申書」(署名または記名押印)

Q7. 「国内連絡先事項」は後から変更できますか?

A. はい。主に以下のようなケースで変更登記または更正登記が可能です:

  • 連絡先の住所や名称の変更
  • 別の人物または法人に変更
  • 「連絡先なし」から「あり」への変更

登記原因の例

  • 「令和7年10月1日 国内連絡先変更」
  • 「錯誤(更正の場合)」

Q8. 国内連絡先事項は誰が登記できますか?

A. 登記申請者は次のいずれかです:

登記内容申請できる人
設定・変更・抹消所有権の登記名義人(単独申請可)
氏名・住所の更正(連絡先本人の情報)国内連絡先となる者(本人)
※所有者の承諾書が必要

Q9. 国内に住所を移したら「国内連絡先事項」はどうなりますか?

A. 所有権の登記名義人が国内に住所を移した場合登記官が職権で国内連絡先事項を抹消します。これにより、重複した情報の管理が不要になります。


【まとめ】不動産登記における「国内連絡先事項」のポイント

項目内容
対象所有者が国外在住の場合に必要
登記内容連絡先の氏名・住所・法人番号など
申請者所有者本人または連絡先本人(一定の場合)
添付書類証明書類・承諾書など(ケースにより省略可能)
変更・更正所有者の単独申請で可(条件あり)

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監修 司法書士 中野大輔  なかの司法書士事務所

免責事項 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別のケースについては専門家等にご相談ください。法令の改正により内容が変更される場合があります。